WORKS

静岡県浜松市を中心に店舗を構える、巌邑堂(がんゆうどう)様。
明治時代より続く和菓子の老舗ですが、2018年より東京、海外に進出し
和菓子の魅力を世界に広めておられます。

11月に3周年を迎えられる、高島屋日本橋店。こちらの店舗のデザインを弊社が担当させていただきましたので、改めてご紹介します。

【ご依頼の背景】
実は巌邑堂(がんゆうどう)様のお仕事をさせて頂いたのは、浜松の店舗がはじまり。施工事例はこちら）
四季折々の繊細な和菓子を魅せる舞台を意識したコンセプトで、赤壁、青壁、天然木、天竜の塗り壁、色と素材にこだわった店舗をデザインさせて頂きました。

今回は、日本橋高島屋が若匠のイベントを開催するにあたり、巌邑堂様も出店されることに。大変光栄なことに、浜松の店舗を共に施工した地元の業者をご評価いただき、同じメンバーで東京の百貨店内店舗の担当をさせて頂くことになりました。

【ご要望】
販売スペースの後ろに厨房があり、作っているところをお客様にも見てもらいたいというご要望でした。また百貨店の一角ということで、周りは同業の和菓子屋店舗が並びます。その中で巌邑堂様らしさをどう表現するか、もポイントになりました。浜松の店舗より更に一歩踏み込んだ、「洗練された日本らしさ」を表現したい、というご希望を頂きました。

【ご提案】
今回のコンセプトは『ジャパニーズモダン』。
洗練された日本らしさ、おぼろげで儚い日本の美を表現するため、全体的に色をおさえたシックなつくりにてご提案しました。周りが明るい空間の中、１つトーンを落とした佇まいになっています。

150年をこえる老舗和菓子店の伝統技術を、より際立たせる空間にするために、壁を同じく日本の伝統技術、左官仕上にて作り上げました。巌邑堂様のテーマカラーの薄紫のしっくいが、上品な雰囲気を演出しています。

実は今回、什器も全て左官にて仕上げをしました。百貨店の改装工事は、通常閉店後の完全夜間工事で行います。今回は業者一同浜松から伺っていたため、1週間というより限られた時間で全ての工事を完結させる必要がありました。全て左官仕上げにしたのは、作業の工数と業者の種類を増やさない工夫です。

お店の看板であるサインは、楽器の街・本店のある浜松市が誇る、艶やかなピアノ塗装仕上げに。老舗店舗の地元への愛情を感じさせます。

奥にほんのり灯るのは、月をモチーフにしたオブジェ。繊細なラインが、繊細な和菓子に合う、日本の美を表現しています。

それぞれの素材感のバランスにも、重きを置き、繊細で美しい和菓子の世界観を魅せる舞台のような空間をおつくりしました。

たくさんの店舗が入った百貨店の一角にあっても際立つ、日本らしいわびさびを感じられる素敵な店舗に仕上がりました。

巌邑堂様 髙島屋日本橋店のデザインを、youtubeにもアップしています。
ぜひご覧ください。

巌邑堂様のHPは こちら